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2020年3月20日(金)~3月22日(日)、Tech School for Change Makers「TSfCM」は、【SDGsにコードで挑む! 2泊3日のハッケーション (ハッカソン + バケーション) @富士吉田】を山梨県富士吉田市にて開催致しました。「富士吉田市のSDGsって何だろう?」をテーマに実施された本イベント。審査員にはアイカサCTO増田誠氏と地元住民の方々を迎えて、2泊3日のスケジュールで活動が行われました。
イベント概要
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イベント名
SDGsにコードで挑む! 2泊3日のハッケーション (ハッカソン + バケーション) @富士吉田
開催日
2020年3/20(金)~3/22(日)
イベント会場
〒403-0017 山梨県富士吉田市新西原1-7-12新西原ビル3F
【宿泊施設】
<1泊目>
・GUEST HOUSE & JAPANESE FOOD RESTAURANT ~ARAKURA~
〒403-0011 山梨県富士吉田市新町2丁目6-10
<2泊目>
〒403‐0016 山梨県富士吉田市松山1240-7
制作物の提出形式・発表方法
プロトタイプ、資料を用いて5分間のプレゼン
観戦方法
新型コロナウイルス感染対策のため無観客での実施(ライブ配信のみ)
審査員
・アイカサCTO 増田誠
・TSfCM代表 仲条高幸
・ドローンカメラマン 高根裕之
・~ARAKURA~ 林理恵子
・フリーライター 三枝善貴
参加特典
参加賞:オリジナルUTシャツ
グランプリ:30分頭蓋骨セラピー無料チケット(The essence of Oasis –オアシス–)
主催
SDGsにコードで挑む。Tech School for Change Makers「TSfCM」
協賛
・GUEST HOUSE & JAPANESE FOOD RESTAURANT ~ARAKURA~
※3日間のタイムテーブルを含めたイベント詳細はこちら
いざハッケーション開幕!富士吉田市が抱える地域課題とは?(1日目)
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SDGsを切り口にデジタルコンテンツ(プロトタイプ)を制作して、富士吉田市の地域課題解決を目指すFYH2020発表会。ハッケーションの始まりを告げる3連休初日、会場のコワーキングスペースには続々と参加メンバーが集ってきました。朝の穏やかな雰囲気に包まれて、開催前の時間には歓談を楽しみながら過ごす参加メンバーたちですが、表情には少しばかり緊張の色が伺えます。
運命のキックオフ
期待と不安が入り混じる中、開会の挨拶と共に、いよいよスタートする3日間の挑戦。運営側よりハッケーション概要と注意事項の説明を受けて、地元在住者から話を伺い富士吉田市の現状を共有。さっそく4名ずつ2チーム(メンター含む)に分かれて、企画・開発のためのミーティングが行われました。
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先程までの穏やかな雰囲気から一変。主催者の話が始まると、スイッチを切り替えて真剣に耳を傾ける参加メンバーの面々。
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チーム富士山
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チームうどん
地域課題を模索するため富士吉田市の街へ
チームメンバー同士の挨拶や企画の方向性を話し終えたところで、いざ富士吉田の街へ。と進みたいところですが、腹が減っては戦もできません。本イベント開催期間中、1食目の富士吉田グルメを味わうべく、1泊目の宿泊施設となるGUEST HOUSE & JAPANESE FOOD RESTAURANT ~ARAKURA~へと舞台を移します。
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富士吉田市民のソウルフード「吉田のうどん」。コシが強くて食べ応え抜群。
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~ARAKURA~のよもぎ餅は全メンバー絶賛の味。メンバーからのアンコールで翌日にもう一度召し上がらせていただきました。
おいしいご飯でエネルギーをチャージしたら、次はお楽しみの富士吉田散策へ。本イベントにおける趣旨のひとつであるバケーションを楽しみつつも、富士吉田市の地域課題にもしっかりと目を光らせます。
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富士吉田市に遊びに来たら必ず訪れたいスポット、富士急ハイランド。心ゆくまでアトラクションを満喫しました。
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国内屈指の富士山ビュースポットで知られる新倉山浅間公園・忠霊塔。絶景も素晴らしかったですが、参加メンバーは398段ある階段をダッシュして楽しんでいました(笑)
富士吉田散策を楽しんでいたら、あっという間に夕暮れ時。宿に戻った一同の脳裏には、ふとこんな疑念が浮かびます。
「あれ?もしかして富士吉田って良い街すぎて、地域課題が見つからないのでは?」
しかしながら、希望もむなしく、問題は外から見えにくいのが実情というもの。本イベントの審査員を勤める林理恵子氏より、富士吉田市民、そしてゲストハウスを運営する地域事業者として、リアルな視点で富士吉田市の課題について真相が語られます。
そして、それぞれの胸に思い馳せながら、より一層意気込む参加メンバーたち。束の間の団欒を楽しみながら初日を振り返りますが、疲れを明日に残さぬよう、それぞれ眠りへとついていきます。
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疲れた身体に一杯。明日からの英気を養います。
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みんなで初日の振り返り。1日でメンバー間の交流もしっかりと深めることができました。
富士吉田市の地域課題解決に向けて、全力でハッカソン(2日目)
本イベント2日目となる連休中日は、開発の要であるハッカソンに集中したスケジュールでした。朝早くから会場のanyplace.work富士吉田に集まり、参加メンバーたちは気合い十分な様子。2日目から参戦するメンバーとも合流して、短く長い1日が始まります。
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企画の確認を行い、情報の洗い出しから作業がスタートしました。
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会場のコワーキングスペースからは荘厳な富士山の姿が。雄大な自然の中でハッカソンに勤しみます。
各チーム共に話し合いと作業をひたすら繰り返し、施設の営業時間ギリギリまで企画を磨きます。参加時の各メンバーの経歴・スキルは様々でしたが、メンバー同士で助け合いながら参加者全員がコードを書く姿には、主催者も心を打たれました。
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ブレストを重ねるチーム富士山。絶対に妥協しない強い意志が伝わります。
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それぞれが集中してタスクに向かうチームうどん。それぞれどんな役割を背負っているのでしょうか。
会場での作業を終えた一行は、2泊目の宿泊施設である富士山ゲストハウス&カフェ きっか家に移動してからも作業の熱が冷める気配はありません。制作は夜遅くまで続き、深夜までコードを書く参加メンバーの姿も…。
明日はいよいよ最終日、第1回FYH2020発表会当日です。各チームの発表は、一体どのような結末を迎えるのでしょうか。
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もうひと踏ん張り!最後の最後まで制作にエネルギーを注ぎ発表に備えます。
第1回FYH2020発表会当日!優勝の栄冠はどちらのチームに?(最終日)
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引用:国際連合広報センター
3日間に渡り開催されてきたハッケーションも、いよいよ最終日。今回で第1回目となるFYH2020発表会では、制作物について各チーム毎に5分間のプレゼンを行い、以下の審査基準を元に優勝チームが決定されます。
■独創性(問題着眼点・着眼点) <デジタルコンテンツにSDGsを絡めた創意工夫があり、着眼した問題が新しいか?> 1点:創意工夫箇所が分からない、問題点が分からない、新しさが全くない ■実行・実現可能性 <実際に世の中で利用される可能性が高いかどうか?> 1点:想定ユーザーが不明確、使って(見て)もらえる可能性が低いデジタルコンテンツ ■技術点・プレゼンテーション力 <動作デモができており、使うことができるかどうか> 5点:提示された機能を審査員が触って体験できる、デモが動作する 1点:本当に動作しているかどうか分からない、デモやプレゼンが分からない ■総合点 <ご自身の専門性や経験を踏まえて、点数付けをお願いします。> 1点:総じてよくわからない、テーマに沿って作り込まれていない |
チーム富士山
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<制作物> <SDGsの選定テーマ> 4.質の高い教育をみんなに 9.産業と技術革新の基盤をつくろう |
チーム富士山が見出した地域課題は、富士吉田市の主要産業である観光業。富士吉田市には有名な観光スポット以外にも素敵な場所がたくさんあることを知り、ミクロな観光情報が十分に発信されていないことを地域課題として取り上げたチーム富士山は、GitHubとLINE BOTを駆使した市民参加型の観光ガイドサイトを制作しました。
「みんなで作る」をコンセプトにした同サイトは、GitHubとLINE BOTを利用してだれでも情報をアップロードできる仕組みになっています。この仕組みを活用することにより、観光情報の充実だけでなく、IT教育の一面も担っているという社会的説得力のある発表でした。
チームうどん
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<制作物> FujiYoshidaSan < SDGsの選定テーマ> 8.働きがいも経済成長も 10.人や国の不平等をなくそう 17.パートナーシップで目標を達成しよう |
チームうどんが取り上げた題材も同様に、観光業についての地域課題。チーム富士山とは異なるアプローチ方法で、富士吉田観光にまつわる課題に切り込みました。提案内容は、観光コンシェルジュをイメージしてつくられたAIサービス「FujiYoshidaSan」。AIを用いて観光客の性格診断を行い、個人の好みに合わせた観光プランを自動的に提案するシステムです。
実装までに直面する課題についても正確に把握しており、いままで観光資源頼りであった富士吉田市の情報発信に一石を投じる発表でした。
プレゼンの様子は、以下の動画にてご覧いただけます。
緊張の結果発表!両チームの得点結果はいかに?
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いよいよ審査員による投票結果が発表される緊張の一瞬です。
両チーム甲乙つけがたい接戦でした。得点結果は以下の通りです。
■独創性(問題着眼点・着眼点) チーム富士山:19点/チームうどん:19点 ■実行・実現可能性 チーム富士山:12点/チームうどん:20点 ■技術点・プレゼンテーション力 チーム富士山:19点/チームうどん:21点 ■総合点 チーム富士山:20点/チームうどん:23点 |
ハッケーションに参加されたメンバーの皆様、本当にお疲れ様でした!
参加者の感想
- 皆さんお疲れ様でした! ハッカソンは都内でカタカタやるイメージでしたが、ハッケーションでは地元の方との触れ合いや、自然の中での景色や風を感じながら、プロトタイプを作る事が出来たのがとても良かったです! 地元の課題を身近に感じながらアイディアを練れて、できる限り自分ごとに近い所で考えを出せるのが、良いアイディアを出す事や、プロトタイプをブラッシュアップしていくモチベーションにも繋がって来るなと感じました! まさに他のスクールと違った社会課題解決スクールだなぁと感じました!
- 3日間ありがとうございました! ハッカソンって何?というところからのスタートでしたが 皆さまのサポートのおかげで本当に楽しかったです! これで終わりでは勿体ないと思うので、富士吉田(or新倉)の課題解決実現に向けて今後も取り組めたら良いです。
- ハッカソンって初めてでしたがノリで参加して良かったです~!参加者のみなさんもサポートしてくださった富士吉田のみなさんも最高でした!
- 楽しい時間を過ごすことができました!賛否両論ありましたが、ぼくはうどんは美味しくいただけた派です!笑 3日の滞在期間でも観光資源が豊富な街なんだなーと感じました!東京から富士山へアクセスする玄関口としての良い街だと思いました! 両チームが同じところに着目していたことも驚きました!観光資源が豊富にある一方で、街として1つの機能していない(点が線になっていない)ことになったのでしょうか。公共交通機関を利用していないので、街の移動のしやすさ、しにくさが分からないですが… 個人的に面白かったのが、地図が北が上になっておらず富士山が上になって表記されていたものがほとんどだったことに妙な納得感を覚えました!笑
- 3日間ありがとうございます! 富士吉田に関してあまり分からなかったですが、料理も美味しく、富士山もすごくきれいに見える素敵な町だったと思います。
SDGsにコードで挑む。地域の課題を解決せよ!
今回のハッケーションを主催したTech School for Change Makers「TSfCM」は、今回のハッケーションについて以下のようにコメントを発表しています。
「このモデルが可能なら、日本全国や世界の主要都市から地域の課題をコードで解決することが可能だと思っています。多くのプログラミングスクールでは、ただプログラミングを学び、同じプロダクトを作ることが多いのですが、当スクールでは角度を変えて、社会にできることはないかという軸で、実際に地域に訪れて、課題を聞きながら開発して課題を解決することを導入しました。今回のハッケーションでは反省点もたくさんありますが、「次回も参加したい」「手伝いたい」という声をたくさんもらえたので、次回のハッカソンはもっとレベルと角度を上げて実施したいと思います。」
尚、従来のハッカソンでは通常、開発されたプロダクトはそのまま終了するケースが多いようなのですが、今回のイベントで発表された2つのプロダクトは、両チームが手を取り合い今後も開発を継続していくとのこと。
今後もSDGsを切り口にした今回のような活動が広がっていけば、全国に蔓延る地域課題解決の糸口となる日はそう遠くないかもしれません。